見積書を作るツールを探し始めると、QuoteWerksとQuoterという名前をよく見かけます。どちらも見積を作って終わりではなく、社内の承認、顧客への送付、顧客が承諾したあとの処理までを扱える製品です。
ただし、想定している業務と料金の数え方が違います。QuoteWerksは、案件ごとに商品やサービスの構成を調整して販売するチーム向け。Quoterは、MSP(顧客企業のIT運用を代行・支援する事業者)向けという位置づけです。この違いが、選ぶときの分かれ目になります。
QuoteWerks
こんな人に
商品の組み合わせや利益率を確認しながら見積を作り、そのあとの購買や入荷までつなげたい
Quoter
こんな人に
MSPの提案業務で、顧客が見積を開いてから承諾するまでの流れをまとめたい
どちらも「見積を作る、承認を通す、顧客に見せる、電子署名をもらう、オンラインで支払ってもらう」という一連の流れは扱えます。差が出るのは、その前後です。作成前の社内チェックをどこまで細かくやりたいか、そして受注したあとの業務をどこまで同じ製品で扱いたいか。ここを基準にすると判断しやすくなります。
| 比較する点 | QuoteWerks | Quoter |
|---|---|---|
| 主な位置づけ | 構成を調整する商品・サービスを売るチーム向け。CPQ(構成と価格を決めて見積を作る仕組み)、見積、提案、見積から入金までを扱う | MSP向け。提案、商品カタログ、見積から入金までを扱う |
| 見積の作成 | 明細、テンプレート、複数商品をまとめた構成、自社ブランドに合わせた見積・提案 | 自社ブランドに合わせたテンプレート、商品カタログ、複数商品をまとめた構成、価格設定、複数通貨の見積 |
| 社内のチェック | 原価・利益率・割引の確認、同僚や管理者による承認、見積の改訂 | 管理者による承認、割引と利益率の下限による統制 |
| 送ったあと | 顧客が閲覧したときの通知 | 見積の開封追跡、自動リマインダー |
| 顧客側の手続き | 内容確認、承認、電子署名、オンライン支払い | 同じ顧客体験の中で内容確認、承諾、電子署名、オンライン支払い |
| 受注したあと | 購買・入荷、CRM、PSA、会計、仕入先・販売代理店との連携 | PSA、CRM、販売代理店、決済代行、会計との連携、APIへのアクセス |
QuoteWerksは、明細やテンプレート、複数の商品をまとめた構成を使って見積・提案を作ります。特徴は、作成の途中で原価と利益率を見ながら割引を調整できること。必要に応じて同僚や管理者の承認を通し、内容を改訂する流れも対象です。
案件ごとに商品の組み合わせが変わり、値引き次第で利益率も変わる。そんな業務なら、この作成前後のチェック機能を選定の重要な条件として見ておく価値があります。
Quoterも、テンプレート、商品カタログ、商品をまとめた構成、価格設定を扱います。これに加えて、複数通貨の見積、管理者による承認、割引と利益率の下限による統制があります。下限を決めておけば、担当者ごとの値引きが社内基準を割り込むことを防げます。MSPとして提案内容の型を揃えつつ、価格の統制もかけたい場合に検討しやすい構成です。
見積を送ったあとの動きも、2製品で扱い方が違います。
QuoteWerksは、顧客が見積を閲覧したときに通知が届きます。反応を把握したうえで、顧客の内容確認、承認、電子署名、オンライン支払いへと進む流れです。
Quoterは、見積が開封されたかどうかの追跡に加えて、自動リマインダーがあります。顧客は同じ体験の中で内容を確認し、承諾、電子署名、オンライン支払いへ進みます。送ったあとの状況確認とフォローを重視するなら、開封追跡とリマインダーを自社の営業手順にどう組み込むかを考えてみてください。
ここで区別しておきたいのが、「見られたかどうか」と「顧客が承諾したかどうか」は別の段階だということです。通知や開封追跡は、見積が読まれたことを知るための仕組み。承認・承諾や電子署名は、そのあとに顧客が意思を示すための手続きです。比較するときは、この2つを分けて見ると混乱しません。
顧客が承諾して支払いが済んだあと、業務はまだ続きます。ここの扱いが、2製品でいちばん性格が分かれるところです。
QuoteWerksは、承諾や支払いに続く購買・入荷を、見積から入金までの一連の流れとして扱います。さらに、CRM(顧客管理)、PSA(ITサービス事業者向けの業務管理)、会計、仕入先・販売代理店との連携も対象です。見積が確定したあとに発注や入荷の処理が続く業務なら、その範囲まで一緒に確認しておくと選びやすくなります。
Quoterは、PSA、CRM、販売代理店、決済代行、会計との連携に加えて、APIへのアクセスがあります。APIが使えると、標準の連携先にない社内システムへつなぐ余地が生まれます。MSPとして今使っている業務システムに受注情報を流したいなら、必要な連携先が対象に含まれているかが選択のポイントです。
どちらを選ぶ場合も、「連携できます」という説明だけで決めないでください。自社が実際に使っているシステムとの組み合わせで動くかどうかは、導入前に必ず確かめる必要があります。
2026年8月7日時点のグローバル向け料金は次のとおりです。
QuoteWerksのEssentialは、同時利用ユーザー1人あたり月額50 USD。12か月契約の月払いです。「同時利用ユーザー」とは、同じタイミングで使う人数のことで、登録した人数の合計ではありません。
QuoterのStandardは、月額299 USD。月75件の公開済み見積とユーザー数無制限が含まれ、こちらも12か月契約の月払いです。
つまり、費用を見る起点が違います。QuoteWerksは同時に使う人数、Quoterはアカウントと毎月公開する見積の件数です。表示された月額の数字だけを並べても、どちらが自社にとって安いかは分かりません。同時に何人が使うのか、毎月何件の見積を出すのかを自社の実態に当てはめてから比べてください。
注意
料金は変更される可能性があります。契約前に対象市場、最新価格、契約期間、課金単位を確認してください。
選ぶ前に、次の3点を自社に当てはめて考えてみてください。
Q.どちらも電子署名とオンライン支払いに対応していますか?
A.どちらも、顧客が内容を確認してから電子署名、オンライン支払いへ進む流れを扱えます。ただし、自社で必要な支払い方法や契約条件に合うかどうかは、導入前に個別に確認してください。
Q.月額の数字だけで比べてもいいですか?
A.比べられません。QuoteWerksは同時利用ユーザー単位、Quoterはアカウント単位で、Standardにはユーザー数に上限がない代わりに月75件の公開済み見積という枠があります。自社の利用人数と月あたりの見積件数を出してから比較してください。
Q.受注したあとの業務まで扱いたい場合はどちらですか?
A.購買・入荷まで含めて検討するならQuoteWerks、MSPの業務でPSAなど既存システムとの連携を重視するならQuoterが候補です。どちらの場合も、自社に必要な連携先が対応範囲に入っているかは事前に確認しておきましょう。
確認日: 2026-08-07(記載の各公式ページで確認。価格などは変わることがあります)
Quotewerks
Quoter